カボチャ頭とマヨネーズ

恋に破れるとカボチャ頭になるが、仕事にしくじると肺にマヨネーズが溜まる。夕方に裁断機の上に吐いた。これでくびを切られるならば、少なくとも健やかに戻れるのだけれど。吐いても、吐いても、また溜まる。カボチャ頭の方がましだが、恋に破れる相手もいない。

良くはならない。いつまでたっても良くはならない。タイムカードを押して門扉を蹴り倒し、足が盛んに走り、市境を北から西へ、西から南へ、ひと巡りしては、やるかたなく、朝に門扉はすっかり直っている。挨拶しようにも、頬さえ上がらないし、唇の端からマヨネーズがだらだら垂れる。

並木の下をカボチャ頭がとぼとぼ歩く。わたしたちは慰め合うべきなのだけれど、悲しみで舌が痺れてただただ悲しむ。

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