詩 雨乞 ステンレスの水筒の最後の一滴が土に吸われて、めぐみの雨を待つばかり。口を開いて見上げていよう、いい具合に曇り空だし、水さえあれば生きられる。週末までなら少なくとも。 明日は妹の命日だ。手帳の走り書きが正しければ。正誤を確認する術はもう... 2020.11.17 詩
詩 昔ばなし 市役所の屋上に サーモンピンクの鶴が留まっている。 鶴はこうこうと鳴き 東の山の中腹で 鹿がびょうびょうと鳴き返す。 鹿はあえぎあえぎ 河を泳ぎ下ってきて ずぶ濡れの頭を振るい 市役所を見上げ そのとき暗い時代は終わって、... 2020.11.16 詩