老年

滝壺に 赤い小蛇がいたのだが
母さんは信じてくれないし
以来 家から出してもらえず
いたずらに年は過ぎる

私はとうめい
紙よりも薄い
ねむるとき 水しぶきも
私をとおりすぎて
どうやら家には もう私しかいない

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